「漢方医学の診断法と運用法」−運用編
各論の応用の仕方


(兵庫県立東洋医学研究所所長 松本克彦編著『今日の漢方診療指針−診断と治療』1999,弊社刊より抜粋)


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 次に各論編に入っていくが、同病異治といわれるように、実に多くの処方が掲載されており、初めはどれを使ったらよいのか途惑うであろう。
しかしこれまで参観や研修に来られた多くの医師の例で見ると、姉妹編『今日の医療用漢方製剤』を一通り通読し、これを参照しつつ整理すれば、自分の専門領域の疾患については、処方数も限られており、比較的短期間で理解して処方運用もできるようになる。

 原則としてはまず典拠の多い*印の中から、どれか1剤を試用してその処方の癖を知り、いわゆる「自家薬籠中のものにする」ことから始め、順次他の方剤も使ってみる。
これについては数十年の経験をもった名医達が、一致して推奨していることが支えとなろう。
慣れてくれば2剤位を用いてもよいが、パックで1日2包ずつ、約10g程度が妥当で、1剤は本治として持続し、他の1剤を随時変えていく。
特殊な例では「その他の処方」中から選択して試みて見るのもよい。

 3剤となると5g、2.5g、2.5gと分けて投薬してもよいが、患者にとっても繁雑で、合方して再包装することが必要となる。
したがってそれなりの薬局の受入れ体制がいるが、この場合でも総量は同じく10g程度が無難である。
ここまでくると生薬を使用してみたくなる人も出てくるようなので、付編(p,333)として生薬処方を付け加えた。

 いずれにしても一歩一歩数年から十数年かけて、現代医学の進歩と足並みを合わせつつ、徐々に深めていく心掛けが大切で、いたずらに効を焦ってはならない。





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